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配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する
法律の一部を改正する法律案要綱
第一 「配偶者からの暴力」の定義の改正等
一 この法律における「配偶者からの暴力」の定義を、
配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法
な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものを
いう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影
響を及ぼす言動(以下「身体に対する暴力等」と総称
する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を
受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り
消された場合にあっては、当該配偶者であった者から
引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする
ことに改めること。なお、配偶者からの暴力の発見者
による通報等、警察官による被害の防止及び第五の
警察本部長等の援助に関する規定においては、配偶
者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に
限るものとすること。
(第一条第一項等関係)
二 一に伴い、前文について、「配偶者からの暴力は、
犯罪となる行為である」とあるのを「配偶者からの暴
力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であ
る」に改める等の改正を行うこと。
(前文関係)
第二 保護命令制度の拡充
一 配偶者であった者に対する被害者への接近禁止命
令及び退去命令
被害者への接近禁止命令及び退去命令について、
現行法と同様に被害者が配偶者からの更なる身体
に対する暴力によりその生命又は身体に重大な危
害を受けるおそれが大きいときに発せられるもの
として規定を整理するとともに、配偶者からの身体
に対する暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、
又はその婚姻が取り消された場合においても、被
害者が当該配偶者であった者から引き続き受ける
身体に対する暴力によりその生命又は身体に重大
な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、
被害者の申立てにより、当該配偶者であった者に
対し、これらの命令を発するものとすること。
(第十条第一項関係)
二 被害者の子への接近禁止命令
_ 被害者がその成年に達しない子(以下単に「子」
という。)と同居しているときであって、配偶者(配
偶者からの身体に対する暴力を受けた後に、被
害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された
場合にあっては、当該配偶者であった者。以下_
及び五_において同じ。)が幼年の子を連れ戻す
と疑うに足りる言動を行っていることその他の事
情があることから被害者がその同居している子に
関して配偶者と面会することを余儀なくされるこ
とを防止するため必要があると認めるときは、被
害者への接近禁止命令を発する裁判所又は発
した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命
又は身体に危害が加えられることを防止するため、
当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、
被害者への接近禁止命令の効力が生じた日から
起算して六月を経過する日までの間、当該子の
住居(被害者及び当該配偶者と共に生活の本拠
としている住居を除く。以下_において同じ。)、
就学する学校その他の場所において当該子の身
辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学
校その他その通常所在する場所の付近をはいか
いしてはならないことを命ずるものとすること。
ただし、当該子が十五歳以上であるときは、その
同意がある場合に限るものとすること。
(第十条第二項関係)
` _に伴い、被害者の子への接近禁止命令に係る
申立書の記載事項、即時抗告及び命令の取消し
に関して、所要の規定の整備を行うこと。
(第十二条第一項第三号、第十六条第四項及び
第六項並びに第十七条関係)
三 被害者と共に生活の本拠としている住居付近の
はいかいの禁止
退去命令において、被害者と共に生活の本拠として
いる住居から退去することに加え、当該住居の付近
をはいかいしてはならないことを命ずるものとする
こと。
(第十条第一項第二号関係)
四 退去命令の期間の拡大
_ 退去命令の期間を、命令の効力が生じた日から
起算して二月間に拡大すること。
(第十条第一項第二号関係)
` _に伴い、退去命令の取消しに関して、所要の規
定の整備を行うこと。
(第十七条第一項関係)
五 退去命令の再度の申立て
_ 退去命令が発せられた後に当該発せられた退去
命令の申立ての理由となった身体に対する暴力と同
一の事実を理由とする退去命令の再度の申立てが
あったときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠
としている住居から転居しようとする被害者がその責
めに帰することのできない事由により当該発せられ
た退去命令の効力が生ずる日から起算して二月を経
過する日までに当該住居からの転居を完了すること
ができないことその他の退去命令を再度発する必要
があると認めるべき事情があるときに限り、退去命
令を発するものとすること。ただし、当該退去命令を
発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支
障を生ずると認めるときは、当該退去命令を発しない
ことができるものとすること。
(第十八条第一項関係)
` _に伴い、退去命令の再度の申立てに係る申立書の
記載事項に関して、所要の規定の整備を行うこと。
(第十八条第二項関係)
六 再度の申立ての手続の改善
保護命令が発せられた後に当該保護命令の申立て
の理由となった身体に対する暴力と同一の事由を
理由とする保護命令の再度の申立てをする場合に
おいて、配偶者暴力相談支援センターの職員又は
警察職員に対し、申立ての時における所定の事情
等について相談し、又は援助若しくは保護を求めた
事実に係る所定の事項が申立書に記載されている
ときは、当該事情等についての申立人の供述を記
載した書面で公証人法第五十八条ノ二第一項の認
証を受けたものを添付することを不要とするものと
すること。
(第十二条関係)
第三 市町村による配偶者暴力相談支援センターの
業務の実施
市町村は、当該市町村が設置する適切な施設に
おいて、当該各施設が配偶者暴力相談支援セン
ターとしての機能を果たすようにすることができる
ものとすること。
(第三条第二項関係)
第四 被害者の自立支援の明確化等
一 国及び地方公共団体の責務
国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止
するとともに、被害者の自立を支援することを含め、
その適切な保護を図る責務を有するものとすること。
(第二条関係)
二 基本方針及び基本計画
_ 基本方針
1 内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣
及び厚生労働大臣(以下「主務大臣」という。)
は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保
護のための施策に関する基本的な方針(以下
「基本方針」という。)を定めなければならない
ものとすること。
(第二条の二第一項関係)
2 基本方針においては、次に掲げる事項につき、
`1の基本計画の指針となるべきものを定めるも
のとすること。
(第二条の二第二項関係)
ス 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護
に関する基本的な事項
セ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護
のための施策の内容に関する事項
ソ その他配偶者からの暴力の防止及び被害者
の保護のための施策の実施に関する重要事項
3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更
しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の
長に協議しなければならないものとすること。
(第二条の二第三項関係)
4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更
したときは、遅滞なく、これを公表しなければなら
ないものとすること。
(第二条の二第四項関係)
` 基本計画
1 都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県
における配偶者からの暴力の防止及び被害者の
保護のための施策の実施に関する基本的な計画
(以下「基本計画」という。)を定めなければならな
いものとすること。
(第二条の三第一項関係)
2 基本計画においては、次に掲げる事項を定める
ものとすること。
(第二条の三第二項関係)
ス 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に
関する基本的な方針
セ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護の
ための施策の実施内容に関する事項
ソ その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の
保護のための施策の実施に関する重要事項
3 都道府県は、基本計画を定め、又はこれを変更
したときは、遅滞なく、これを公表しなければなら
ないものとすること。
(第二条の三第三項関係)
4 主務大臣は、都道府県に対し、基本計画の作成
のために必要な助言その他の援助を行うよう努め
なければならないものとすること。
(第二条の三第四項関係)
三 配偶者暴力相談支援センターによる自立支援の明
確化及び調整機能の発揮等
_ 配偶者暴力相談支援センターは、被害者が自立
して生活することを促進するため、就業の促進、
住宅の確保、援護等に関する制度の利用等につ
いて、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整
その他の援助を行うものとすること。
(第三条第三項第四号関係)
` 配偶者暴力相談支援センターは、保護命令の制度
の利用について、情報の提供、助言、関係機関へ
の連絡その他の援助を行うものとすること。
(第三条第三項第五号関係)
オ 配偶者暴力相談支援センターは、被害者を居住さ
せ保護する施設の利用について、情報の提供、助
言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うも
のとすること。
(第三条第三項第六号関係)
四 民間団体との連携
配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに
当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及
び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体
との連携に努めるものとすること。
(第三条第五項関係)
五 福祉事務所による自立の支援
福祉事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及
び寡婦福祉法その他の法令の定めるところにより、
被害者の自立を支援するために必要な措置を講ず
るよう努めなければならないものとすること。
(第八条の三関係)
六 関係機関の連携協力
配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福
祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他
の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、
その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図り
ながら協力するよう努めるものとすること。
(第九条関係)
第五 警察本部長等の援助
警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の
所在地を包括する方面を除く方面については、方面本
部長)又は警察署長は、配偶者からの暴力を受けてい
る者から、配偶者からの暴力による被害を自ら防止す
るための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を
相当と認めるときは、当該配偶者からの暴力を受けて
いる者に対し、国家公安委員会規則で定めるところに
より、当該被害を自ら防止するための措置の教示その
他配偶者からの暴力による被害の発生を防止するた
めに必要な援助を行うものとすること。
(第八条の二関係)
第六 苦情の適切かつ迅速な処理
被害者の保護のための関係機関は、被害者の保護
に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の
申出を受けたときは、適切かつ迅速にこれを処理する
よう努めるものとすること。
(第九条の二関係)
第七 外国人、障害者等への対応
職務関係者は、その職務を行うに当たり、被害者の
国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重しなけ
ればならないことを規定すること。
(第二十三条第一項関係)
第八 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を経過した
日から施行するものとすること。
(附則第一条関係)
二 検討
この法律による改正後の配偶者からの暴力の防止
及び被害者の保護に関する法律(以下「新法」とい
う。)の規定については、この法律の施行後三年を
目途として、新法の施行状況等を勘案し、検討が加
えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられ
るものとすること。
(附則第三条関係)
三 その他
経過措置その他所要の規定の整備を行うこと。
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